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BY ジョイ・ハンド(上海開澤)法律事務所

中国では経済成長が急激であるだけに、物流の重要度が再認識されています。中国物流業界は今、これまでの単純な貨物輸送、倉庫、通関、配達から、物流管理(サプライヤからの仕入れ時間、場所の管理など)、物流情報サポート(IT技術の開発、進化による物流情報管理など))、配送、アフターサービス、メンテナンス、技術サポートなどへと広がっています。外商投資項目ガイドラインにおいてもサービス外注が奨励項目に分類され、物流の外注は今後ますます増えていくと予想されます。まずは外資の物流進出の動きと可能な形態について、法的角度から説明します。

 

1、 外資の物流進出の動きについて

外資に対する規制緩和に伴い、外資系企業の物流進出の動きは、以下の3つの類型がメインになると考える。

  • 自ら物流会社又は3PL会社を設立。
  • 情報サービス企業は、経営範囲の拡大または確保を通じて、物流関連の情報サービス業務を開拓。
  • IT企業は、物流管理ソフトを研究開発し、その販売、情報サービス、教育研修を行う。

 

2、 外資企業による物流への進出形態について

(1) 物流企業を自ら立ち上げ

自前で物流企業を立ち上げ、物流システムを構築する場合。物流サービスを外注する必要がなく、最初から最後まで目が行き届くので、高レベルのサービスを維持できる。その反面、以下のデメリットもある。 

  • 専門の物流ライセンス(道路輸送、海運など)を取得しなければならない。 
  • 設立資金や運営資金が高額になる。 
  • 自ら最初から最後まで指揮監督しなければならない。 
  • 経営リスクが高くなる。

(2) 他の物流会社に物流業務を外注

物流業務を自ら行わず、他の既存の物流会社にこれを発注する形態。自ら費用、人員、エネルギーを使って物流部門を構築する必要がなく、物流業務にエネルギーを使わず、顧客情報などコアの情報のみをコントロールすれば、本業の展開における物流業務の拘束はある程度緩和される。一方、他の外注業務と同様に、外注先にいかにして高レベル、安定的な均一の物流サービスを維持させるかが悩みの種になるであろう。

(3) 既存の物流会社と別途3PL会社を設立。

物流専門でない会社が既存の物流会社のノウハウなどを利用する意味で、別途3PL子会社を設立し、物流業務の下請けを行わせる方式。自ら3PL子会社に資本参加、そして経営管理に参画しているため、前項(2)の高レベル、安定的な均一の物流サービスを維持させることができる。またそのまま既存の物流会社の設立ノウハウ、物流業務ノウハウなどを利用できるため、すぐ立ち上げ、すぐに使える方法として、最も注目される。

この3PL子会社は、自ら物流の業務基盤を有する一方、特定の業務や地域、専門の分野(化学、精密機械)などにおいて、一部の物流業務をさらに他の物流会社に発注できるため、物流に関わる顧客情報、市場情報などを収集・選別のうえ、自社と他の物流会社のそれぞれの業務能力を整合して最も効率的に利用できる。実際のイメージとして、このような3PL物流会社の数は少なくないと考える。

(4) 物流業務に関わるコンサル会社を設立。

物流業務そのものを行うのではなく、これと関わる物流施策、ソフトウェアサービス、物流プロセス管理などの情報を提供し、コンサルティングを行う。簡単に設立でき、物流業務を除く、その他の関連経営活動を行うという柔軟な経営方式。情報とコンサルサービスの提供によりサービス料を回収できるため、利益回収方法のひとつとしても注目される。実際に、物流会社がグループ会社として別途このようなコンサル会社を設立するケースも少なくない。

 

3、 外資による物流進出のケーススタディー

(1) 大型プロジェクトをサポートするために、3PL会社を設立。

【経緯】

大型プロジェクトであり、危険化学品に関わる物流業務が大量に発生。

これをサポートするために、本社から物流部門の支援を受け、別途3PLの関連会社を設立し、この大型プロジェクトの物流業務の全部の下請けを行う。

【メリット】

  • 3PL会社に物流会社に丸投げする形になり、本業に専念できる。 
  • 3PL会社は、特に危険化学品の物流にノウハウを持っているため、再び他の物流会社に一部下請けに出すとしても、物流サービスの安全性、品質を維持できる。 
  • 3PL会社は、最も付加価値の高い物流企画、管理を請負い、大型プロジェクトからサービス料を取得し、利益回収の形のひとつとしても利用できる。 

(2) 低コストで、物流関連業務を展開し、市場を先占。

  • 親会社が大手企業の物流会社でもあって、物流関連のハードウェア・ソフトウェア研究、開発サービス、人材教育研修サービスをグループ会社中心に展開。 
  • 物流関連の情報、コンサルサービスを本業としながら、ハードウェア・ソフトウェア、SI、そして人材面の有利性を活かし、物流情報管理、物流施策の設計、提案、コンサルなどを展開しているため、顧客にとっては安心して丸投げできる物流アドバイザーになりつつある。 
  • 地場企業と提携し、徐々に日本式の物流サービスのやり方を植え付け、この企業を頂点とするひとつの物流連合体が形を成している。 

 

まとめ

外資企業はともかく、地場の中国系企業も物流の重要度を目指して、費用対効果でソリューションになる物流会社を熱心に探していることもあり、安心して任せられる物流企業にとって大きな市場のチャンスになると思われる。

中国の物流専門家の間では、2008年の中国物流業の増加幅を約16%と予測しているので、物流業務は、日系企業が得意とするきめ細かさが大きく活躍できる分野でもあると考えます。



 
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