絶ゆ間ぬ挑戦で進化し続け溶射加工の

オンリーワン企業に

村田激光制(上海)有限公司 (本社:村田ボーリング技研株式会社)
総経理 村田省三

市場の中に、他の企業が注目しない間隙(ニッチ)を見出し、そこに参入する産業、それをニッチ産業という。そこには情報量の少なさや開発、販売の難しさなどライバルが少ないなりの苦労がある。ここではそんなニッチな業界で活躍する製造業の取り組みを紹介する。
 
     

まずは御社の業務内容からお聞かせください
弊社は1950年静岡市で自動車、オートバイ等のエンジンボーリング(再生)を目的に創業しました。現在では全国のあらゆるハイテク産業向けに溶射・研削・鏡面仕上げ・セラミックレーザー彫刻加工といった特殊技術をご提供しています。

なるほど、表面加工分野ですね。幅広いニーズがあるかと思いますが、中でもどの分野でトップですか?
フレキソ印刷機に使用されるロールの表面加工です。印刷には他にオフセット、凸版、グラビアと3種類ありますが特にダンボールの表面の印刷はフレキソ印刷でなければ対応できません。弊社の得意とするセラミックレーザー彫刻加工は従来のメッシュロールに比べ数十倍の耐久性がありロールの長寿命化を可能にしました。また、従来の彫刻では出来ない微細なセルの彫刻も可能になり、他の印刷方式と同等な印刷も可能になっています。 
 
なぜあえてニッチといわれる産業に参入されたのですか?
先代の創業社長が非常にフロンティア精神旺盛な人物で常に人がやっていないことをしたい、他社が持っていない設備を導入したいと取り組んでまいりました。1952年静岡県下初のクランク研削盤を導入したのを皮切りに、その後日本一の大型クランク研削盤、セラミックレーザー彫刻装置や超音波洗浄装置、新型レーザー装置などすべて加工能力国内最大クラスの設備の導入を成し遂げました。またプラズマ粉体肉盛装置(PTA)を自社開発するなど研究開発にも意欲的に取り組んでおります。そういった挑戦の結果が弊社を現在の溶射加工分野でのオンリーワン企業に導いたのではないでしょうか。

2004年、上海進出の目的は?
中国市場への参入です。ニッチであるがゆえに日本市場には制限があり大きな飛躍は期待できません。世界でも最も物流が活発な上海にはダンボールやパッケージといったフレキソ印刷が活躍できる場が無数にありそこに活路を見出しました。進出に先駆け03年から中国への輸出を始め手ごたえを感じていたのも事実です。また本社所在地である静岡市と浙江省が友好姉妹都市の関係にあるためかねてから中国に親しみを感じていたことも挙げられます。

用途が限られているというのは将来的に心細い気もしますが・・・。
限られてはいますがフレキソ印刷の技術は替わりがきかないため、決してニーズがなくなることはありません。とはいえ紙媒体のみでやはり限界があるので今後はテレビ、パソコン、デジタルカメラ、カーナビゲーター等の液晶の配向膜の塗布分野でもシェアを伸ばしていく方針です。

最後に御社の今後の展開は?
1つは主力製品であるセラミックレーザーロール分野での売上げシェア拡大。そのためには設備の強化が必須であり、年内には既存レーザー装置の改造、小型レーザー装置の導入、更には鏡面装置を日本から移設する事により、生産能力の強化・作業効率の向上、そして日本と同等の高品質な製造が実現します。もう1つは溶射分野の強化です。こちらはニッチとはいかないのでローカル企業との競合は避けられませんが、高品質で使用される応用分野への対応はまだローカル企業では出来ません。また質の違いをアピールするのはもちろんですが日系企業としてローカル企業とは違った切り口で対抗していかなければなりません。例えば環境保護もひとつのキーワードです。磨耗した箇所を溶射によってコーティングすることにより復元可能。従来の交換、廃棄に変わる選択肢として攻めの態勢で挑んでいきたいと思います。

 
レーザ作業風景
円筒研削盤
   
     
村田激光制(上海)有限公司
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