中国に暮らし、中国で働くEMIDAS読者ならきっと「中国にはスペシャリストが少ない」という感覚をお持ちだろうと思う。特にご自身がスペシャリストであればなお、その現状に不安を覚えたことはこれまで一度や二度ではないはず。ましてや投資金額の大きな部分を占める新工場建設においてや、その不安は計り知れない。敷地は購入したが、期日どおりに業務が開始できるか?変更の多い中国の法律に沿った設計になっているか?追加工事などが頻繁に生じるのでは?品質は信頼できるか?――結果、安心のために日系大手ゼネコンに頼ろうとしたものの、担当者が中国の事情に精通していないなど、むしろ不安になることも…。こうした不安に応えられるのは、ストラクチャトーンアジア・エスアンドテックスだけかもしれない。スペシャリスト揃いのスーパーチームによるスピーディで無駄のない進行で、低価格でありながら大手ゼネコンと互角の品質を提供できる力強い企業だ。
ストラクチャトーンアジア・エスアンドテックス(以下、STA社)は、米国ニューヨークを本拠地とするゼネコン・ストラクチャトーン(STI社)のアジアの拠点として、日本の大手ゼネコン出身の重光信雄氏との合弁のもと、香港で設立された総合建設請負企業である。香港をアジア本社とし、日本、韓国、シンガポール、中国、台湾、インド、ベトナムに支社を置き、企業のアジア進出に伴う工場やオフィスの設計・施工を数多く担当してきた。なかでも「世界の工場」となった中国では特に積極的に展開しており、深セン、広州、蘇州、上海にも営業所を構えている。
11月号でご紹介したように、STA社は設計施工作業を専門的に細分化させることで結果的にコストダウンにつなげる「コンストラクション・マネジメント(CM)」を採用して高い評価を得ているが、STA社も中国市場でCM方式を採用しており、アジアに進出する各メーカーの工場建設の大幅なコストダウンを成功させ、成果を挙げている。今回はCM方式以外の、同社の強みについて説明したい。
海外(特にアジア)と建築、経験豊富なスペシャリスト集団
今回、取材にご協力いただいた設計部部長の後藤さんは、1980年にスーパーゼネコンに入社し、以来、建築一筋30年という設計の超ベテランだ。そのうち24年間が海外で、約20年間が中華圏。台湾なまりの中国語を流暢に話し、さらに「建築用語の中国語なら中国人よりも詳しい」そうだ。後藤さんや重光社長を含めて日本人は11名、一級建築士や一級設備士の資格を持ち、うち半分は海外実務10年以上。まさに「海外(特にアジア)」と「建築」のスペシャリスト集団だ。これらの日本人主導の設計部や営業部が中国独自の事情を反映させながら、日本流の考え方で設計を行い、欧米式のCM方式を用いて無駄のない管理を進めている。
2週間のハイスピードで高精度な設計と見積りを作成
経験豊富なスペシャリスト集団だからこそ、重要なポイントを押さえている。無駄がないから、全体のスピードにつながっていく。驚くべきことにSTA社は、商談からわずか2週間で高精度な基本設計と見積りが用意できる。大手ゼネコンであれば、社内稟議を通すために簡単に費やされてしまう時間だ。 工場の平面図、立面図、断面図、敷地図のほか、電気・空調・消防・給排水衛生設備の配置を描く設備図も作成する。機械設備などが分からなければ電気などの配置を設計できないはずだと思われるだろうが、例えば日本などの既存の工場でお使いの設備リストを受け、その工場の想定されている役割がわかれば、実績や経験から全て概算が可能だ。さらに俯瞰の透視図と、概略予算と工事工程を含めたものが、2週間で用意されるのである。
漠然としていた構想がわずか2週間で完成に近い形まで作り込まれることで、顧客は時間のロスを大幅に減らすことができ、さらに希望をより具体化することができるという効果もある。
中国での建設ライセンスを持つ
中国で実際の建築作業に従事するには中国政府認可のライセンスが必要であることは、あまり知られていない。STA社は建築工事の自社ライセンスを有する、珍しい外資系建設企業のひとつでもある。自社でライセンスを所有しない建設企業であれば、ライセンスを持つ企業に外注するしかない。工場が出来上がってからの追加工事や修正が必要な際に「たらいまわし」になったという話はよく聞くが、STA社は自社でライセンスを取得しているため、顧客に対して最後まで責任を持って対応できる。ライセンスの認可は、「これまで10年来の実績と、外資系企業の仕事を多数受注していることが認められたもの」と設計部の後藤さんは語る。
工場やオフィスだけでなく、商業施設やショールームの内装も
これまで華南と華東を中心に、日系・欧米系企業の工場の設計・施工を数多く請け負ってきたが、かつては5ツ星ホテルや百貨店などの内装も多数手がけた実績があり、香港や広州では商業施設も幅広く行ってきた。上海においても、日本人インテリアデザイナーを起用した商業施設の内装やショールームなども手がけていく予定だ。
以上、STA社の強みを簡潔に述べた。同社のスペシャリストたちは日々、顧客の多種多様な依頼を実現させることで、実績を積んでいる。中国での工場の設計・施工はもとより、海外展開と建築に関する幅広いノウハウがあるSTA社は、中国で挑戦する製造業を今後も力強くサポートしてくれるだろう。 |