同社は1999年11月に設立され、翌年2000年より大手電子機器メーカーのプリンター機器用給紙製置及び後処理製置の製造とアッセンブリを行っている。メーカーが生産したプリンター本体と自社が生産した装置を組み立て、最終製品として毎月4万台を世界中に輸出している。1970年代に日本で電子機器部門が始まって以来30年間、その大手メーカーからの信頼を一身に受け、中国においてもメーカーの協力工場としてベストな関係を築いてきた。2002年からは光半導体の第二工場も設立。同メーカー向けにフォトカプラを製造している 。
今のところ、30年来の付き合いのある大手メーカーが唯一にして最大の顧客である。それは諸刃の剣であり、一瞬たりとも気が抜けない非常に厳しいものに違いない。1999年の工場立ち上げから8年間を見守ってきた李欽毅総経理に聞いてみると、「周りの人を信用している。優れた部下が多いので自分は大変ではないです」と、堪能な日本語でにこやかに言う。信頼できる組織作りができているのだ。李総経理は一貫して技術畑の出身だが、ワーカーの給与査定制度の改革で成功している。各個人の問題提起能力、不良品や間違いの数を公開して査定の透明度を上げるとともに、基本の評価は生産ラインごとに行い、さらに個別にはラインの班長が評価するというやり方を編み出した。また、「品質部」に権限を与え、問題がある場合には生産ラインをストップさせることができるほどの裁量を与えており、常に品質の安定を最優先にしている。
今まで業績は安定しているが、激しい市場競争、為替の変動、高騰する人件費には懸念している。これまでの生産方式の革新が必要とされており、打開策として近頃、技術部を発足させ、技術力を上げている。これまでは専ら組み立て工場として日本からの連絡を受けるための生産技術の窓口はあったが、今後は生産方式、工程の見直し、設計協力から中国で行うなど生産効率を向上させながら、新たな事業の拡大を計画している。まずは、内販向けに旋盤やフライスによる機械加工事業を拡大していきたい考えだ。
サンエスの社訓は、「良い品を創意と熱意と人の和で」。革新的でありながら、自然な温かみを感じさせるサンエス。人の和を生かしながら、さらに前進していくに違いない。 |