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桑田総経理
GPS搭載自社車両で、日本並みのニーズにも対応
上海経貿山九儲運有限公司
総経理 桑田 さん  
貨物運送事業や倉庫業務のほか、各種プラントの建設なども行う山九株式会社は、中国での事業展開の歴史も長い。以前は工場設備の輸入などが多かったが、近年は自動車部品を中心に中国国内物流が本格化。拠点の多さと自社車両で顧客ニーズに対応している。
 
 
     

 大正7年創業の山九株式会社は、日本国内に44支店、130拠点の倉庫を所有する大手物流企業。貨物自動車運送事業や倉庫業務だけでなく、各種プラントの建設、製作、据付ならびに設備のメンテナンスを行う機工事業など、幅広い物流サービスを提供している。1970年代から積極的に海外展開を始め、海外拠点は現在30あまり。中国とは国交正常化からわずか3年後の1975年より、新日鉄の宝山・武漢製鉄所プラントの輸送を請負う。以来、中国交通部とも良好な関係を築き、1981年には北京駐在員事務所、1986年には国際物流分野初の日中合弁企業である天津天山国際貨運有限公司を設立。1996年に設立された上海経貿山九儲運有限公司ほか、大連、北京、天津、青島、南京、深セン、広州、香港に9つの現地法人があり、中国全体にある50の保税・一般倉庫は合わせて31万㎡もの広さを誇る。

 多くの日系製造企業が中国進出してきたこの十数年間は、同社機工事業のエンジニアリング技術という強みを活かし、一般のフォワーダーには難しい工場設備の輸入、機械の設置、電気配線までをメインに行ってきた。だが近年は、自動車部品の輸送などを中心に、国内物流にも重点をおいているという。

 右記でも述べた拠点の多さのほかに、山九の中国国内物流の強みといえば、自社車両、自社ドライバーによる運送だ。中国の輸送業界の品質の成熟度はまだ低く、日本では考えられない事象が発生する。顧客より預かった商品を大切に送り届けるという意識の低さが根底に存在するという。日本と変わらない顧客ニーズに対応するため、上海山九では現在45台の自社車両を所有。車体の横が翼のように大きく開き、雨や荷崩れに強い「ウィングトラック」は、中国ではまだ希少だ。全体の約3割の業務を自社車両で行い、特に管理の厳しい自動車部品の輸送に重点的に自社車両を投入。さらに、すべての自社車両には自社車両の現在位置が確認できるGPS能が搭載されている。

 中国国内物流の発展と同じくして、近年増えているのは生産物流だ。工場内の最終生産ラインから搬出、日本およびアジア地域への輸出、倉庫への搬入という一環作業も請け負っている。2005年にはベトナム・ホーチミン事務所を現地法人化。インドネシア、マレーシア、フィリピン、シンガポール、タイとASEAN6カ国の拠点も充実させており、「工場設備の搬入~生産物流のアウトソーシング~国内物流~フォワーディング~日本・中国・ASEANネットワーク活用」と広域かつ広範囲にわたるニーズに対応している。

 ハードが整いつつある今、桑田文雄副総経理はソフトの向上を目指す。「お客様に選んでいただける企業を目指し、企業文化を高めたい」と昨年から2回、700名の従業員を各部門30チームに分け、それぞれ改善テーマを掲げ自主活動を展開、発表させている。「物流という人間の手を介す事業は、最終的には作業員の質によるところが大きい。各自が自分自身で考えることから、現場力の向上につなげていきたい(桑田総経理)」。山九の努力により、中国でも日本レベルの物流が現実となる日はそう遠くはなさそうだ。

 

山九物流自社特有の ウィングトラック
 
 
 
 
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