中国は今、金型生産において世界最大の市場となっている。同時に、金型製作に使われる放電加工機のニーズも高まっている。その著しい成長の主役は、中国の地場メーカーだ。2000年以降、中国に進出した外資系企業や日系企業が金型づくりを現地化させ、中国メーカーの技術を底上げした。右肩上がりの中国市場では設備増強が非常に活発で、「先に設備投資を行い、追ってその設備に合う仕事を請ける」というメーカーも珍しくないという。なかでも、高精度の放電加工機の需要の伸びが著しく、その最大の牽引要素となっているのが自動車関連産業の成長だ。
世界の製造業から高い信頼を得ている三菱電機のFA機器。同社の放電加工機は、精度の求められる自動車関係に強いことで広く知られている。三菱電機は90年代より代理店を通じて、香港および広東省を中心に生産設備の販売を行ってきた。2002年からは、三菱電機自動化(上海)有限公司として、上海を中心に中国全土への本格的な販売とサービスを開始。現在は、長期に亘りパートナー関係を結んできた多数の代理店とともに、中国全域への積極的な販売展開を行っている。市場の売り上げは広東省が約半分だが、華東・華北地区も急速に伸びている。ユーザーの比率は4割が中国地場メーカー、日系企業・台湾企業・香港企業がそれぞれ約2割と、中国地場メーカーの成長が目覚しい。
広東省では、昨年、東莞の展示場を転居・拡張し、さらに、高精度機も設置することで、幅広い需要に応えているという。
この他にも、上海を始め、4000社もの金型企業が存在する寧波や、無錫、また生産工場のある大連、天津・深圳にもサービス拠点を持ち、デモ機を置いたショールームでは、サンプル加工や操作トレーニングを通じて、ユーザーへの技術サポートを提供している。
同社放電加工機事業戦略顧問である林晃氏は、「代理店の販売力と、メーカーのサービス力・技術力の両輪にて、より付加価値の高い提案を行っている」と語る。
中国市場の金型ニーズとしては、これまでは、携帯電話やパソコンなどのデジタル家電用金型の比率が最も高い。モデルチェンジが頻繁でライフサイクルが比較的短いデジタル家電と比べ、自動車は高い安全性と長期使用が大前提となり、要求される金型の技術や品質も複雑で高度なものになる。当然、生産設備には、安定して高生産性に寄与できるだけの品質・性能や、充実したサービス体制が求められる。「中国市場での自動車関連は現状、部品の組み立てが中心。部品の現地生産はまだ多いとは言えないが、そのニーズは急激に伸びる兆しを見せている(林晃氏)」。今後、中国でも本格的な自動車部品の生産が行われることで、金型技術のさらなる向上と市場の伸びが期待されている。
1994年より大連での生産を開始した三菱電機。中国市場で必要とされる機械も大連で生産しており、これまでのニーズは、ほぼカバーできていたが、「現在でも一部の高精度機は日本から輸入している。今後は大連での生産も質・量ともに向上を図り、中国のお客様にも精度の高い機械の生産状況やデモ機を見ていただけるようにしたい(林晃氏)」。また、続けて「日本の製造業の成長とともに、長い間培ってきた高度な技術を中国でも活かし、金型を通じて技術開発に寄与することが我々の使命。そのうえで売上げを3年で2倍、5年で3倍にするのが目標」と語った。
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