オレンジ色の「TAKAMAZ」ロゴで製造業におなじみの高松機械工業株式会社は、石川県白山市に本社を置く工作機械メーカーだ。耐久性が高く壊れない小型CNC旋盤で広く知られており、顧客の7割は自動車部品加工メーカー。自動車産業に関わるメーカーにとって、なくてはならない高品質の旋盤を製造している。
すでに中国に進出している多数の顧客メーカーからの要望に応えるため、高松は2004年12月に中国に進出。台湾の大手工作機械メーカーである友嘉実業股份有限公司との合弁で、杭州友嘉高松機械有限公司を設立した。工作機械メーカーとしては10番目の遅い中国進出となったが、台湾企業との初合弁という形式がむしろ幸いした。合弁パートナーの友佳は、杭州ですでに10年以上の経験があり、月160台もの工作機械を生産している。高松は友佳と合弁することで、工場用地などの準備や地方政府と折衝などを大幅に簡略できたほか、必要なインフラも整備されていたため、素早い立ち上げが可能となった。一方、友佳は日本のトップ工作機械メーカーと組むことで、先端技術や工場管理を間近に見ることができるというメリットがあった。
こうして杭州友嘉高松は2005年5月から生産を開始したが、早くも翌年2006年度には、累損一掃を達成した。それについて中川総経理兼工場長は、「順調な立ち上げができたのは、日本高松と友佳精密からの応援があり、また日系機械商社などのお客様からも多大な応援をいただくことができたからこそ。利益が出せたのも、友佳のインフラを全て利用させてもらうことで、管理費が安く済んだのはもちろん、設備投資がほとんどかからなかったのが大きい」と語る。
杭州友嘉高松は、精度を要求される部品は日本から輸入し、一部の部品については中国国内で調達することで、日本と同じように精度の高い機械を生産している。同社と友嘉実業の2社は現在、それぞれの利益が毎年2倍の成長を遂げており、良好なパートナー関係を築いている。中国市場では日本と同じ機械(X-150C、X-100C)のほか、友佳モデルを日本高松が設計し直して組み立てた中国市場向けのXTC-20もある。現在、顧客の半分以上は中国地場メーカーが占め、その比率は今後さらに増える見込みだが、特に中国市場のニーズに合わせたXTC-20の需要が大きく伸びている。
杭州友嘉高松は購入前にマンツーマンでのスクーリングや、工場立会い時に機械の工程能力を測るための100個連続の加工テストなどにも対応してくれる。また、販売方法も機械だけを単に売るのではなく、セッティング調整し、スタートボタンを押すだけの状態にしたターンキーでの販売を行っているのも、日本と変わらない同社の特色である。
中国展開・市場ともに大成功といった印象を与える杭州友嘉高松だが、「中国でのものづくりは簡単ではない。むしろ、こんなに難しい国はあまりないため、ここで成功することが重要」と中川進総経理兼工場長。アメリカや東南アジアでの経験も豊富な氏がそう語る理由は、中国で人材を定着させることの難しさ。工作機械を作るには深い技術が必要だが、人材の定着率が悪いと技術が根付きにくい。市場よりも労務管理に難しさを感じており、人材の育て方など、中国人の志向に合った対策を編み出し、展開しているところだ。「5年後の中国では人材の不安定、人件費の高さ、品質のばらつきなどが理由となり自動化装置のニーズが増えると予想される。日本高松は自動化技術ではトップレベル。中国市場でも前向きに検討していきたい」と語った。
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